突発性難聴は、医学的には原因不明とされています。ステロイド薬による治療で改善する場合があるため、病院ではステロイド薬による治療が主になりますが、実際はそれで改善割合は2割ほどと言われています。

当院では、突発性難聴や耳鳴りなどの耳の症状の多くは、首や肩のコリによって耳への血流が妨げられ、内耳に血液が十分届かずに機能不全が起きていると考えています。
首や肩のコリを作っている原因にアプローチすることで、コリを生みにくい体にし、耳への血流を回復させるように働きかけます。

症例7 左右で音の違う耳鳴り

患者

40代  女性  福井市

症状の特徴

ある日突然耳鳴りを伴い音が聞こえづらくなり、病院で突発性難聴と診断された。この時はイソバイドを飲んだら症状は消えた。

三か月後に再発。再びイソバイドを処方され、音は聞こえるようになったが、耳鳴りは残った。右耳からはキーンという高い音がし、左耳からはボーという低い音がする。

さらに一か月経過後、また聞こえづらくなる。薬(イソバイド、アデホスコーワ、漢方薬)で音は戻ったが、耳鳴りが強くなった。

首コリが以前から気になっていて、たまたま首の後ろを温湿布で温めたところ、一時的ではあるが耳鳴りが小さくなった。首コリが原因ではないかと思いネットで調べたところ、当院のホームページで首や肩のコリを緩めて難聴の治療をしていると知り来院した。

治療の内容と経過

一診目(6月30日)

首や肩を触診し、目立つコリを見つけたため、それらを手足のツボで緩めた。直後に来院時に比べて耳鳴りが小さくなった。

二〜四診目(7月3日、9日、20日)

回を重ねるごとに耳鳴りが小さくなり、音が気にならない時間が増えてきた。

五診目(8月1日)

四診目の後、聴力検査を受けたらほぼ正常値に戻っていた。上を向くと左耳のキーンという音が強くなるとのことだったが、手のツボで上を向きやすいように調整したら治まった。

六診目(8月22日)

ほとんど耳鳴りが気にならなくなったとのこだったので、治療を終了とした。

使用した主なツボ

僕参L、中渚R、三陰交L、養老R、後渓R、列欠L

まとめ

最初に発症してからは約5ヶ月、再発してからも3ヶ月近く経過してしまっていたが、温湿布で首を温めたら耳鳴りが小さくなったことから、比較的症状が軽い状態を自分で維持できており、本当に悪化してしまう前に治療を始めることができたと思われる。

首を温めた時に耳鳴りが小さくなったのは、温められたことで首周りの血流が促進され、耳への血流も改善したためだと思われる。しかし、コリ自体が緩んだわけではないので、一時的な効果となった。

耳鳴りや難聴に悩みながら、病院ではもう治らないと言われて諦めている人は多いと思うので、薬以外の治療法があることをもっと知ってもらえるように、情報の公開を続けていきたいと思う。

症例6 低い音が聞こえづらい、静かなところで耳鳴り

患者

20代  男性  福井市

症状の特徴

左耳で音が聞こえづらくなり、病院で突発性難聴と診断を受け、ステロイド薬で一旦改善した。

5か月後、風邪を引いた時に再発し、ステロイド薬や他の薬の処方を受けたが改善しなかった。風邪を引いてから左の鼻詰まりを感じていて、鼻炎薬を処方されているが変化はない。

低い音が聞こえづらく、静かな場所ではボーという低い音の耳鳴りがする。来院前の聴力検査では、低音が30db。

ホームページを見て来院した。

同時に治療した症状

鼻詰まり

治療の内容と経過

一診目

手や肘のツボを使い、触診で見つけた首や肩のコリの強いところを緩めた。鼻詰まりも難聴の原因になることがあるため、鼻詰まりに対して膝のツボを使った。首や肩は楽になったが、直後に耳の変化は無し。

二診目(一週間後)

病院で聴力検査を受けた後に来院。検査結果は、30db→15dbに改善していた。静かなところでは、まだ耳鳴りが気になる。鼻詰まりはまだある。前回と同様の施術をしたところ、直後に鼻が通った感じがあった。

三診目〜六診目

四診目辺りから耳鳴りも小さくなり、ほとんど気にならなくなったため、六診目で治療終了とした。

使用した主なツボ

合谷L、内谷L、養老L、曲池L、膝陽関L

まとめ

風邪を引いたタイミングで再発したことから、鼻詰まりの問題が絡んでいたと考えられる。また、一旦改善した時に、原因となる首や肩のコリが残ってしまっていたことが、再発の原因だと思われる。

突発性難聴は、一旦治れば再発はほとんど無いと言われることもあるが、原因となる首や肩のコリが残っている場合は、再発も珍しくはないと思う。

当院で治療した人が難聴を再発することがないように、もっと精進していきたい。

症例5 両耳の詰まり、キーンという耳鳴り

患者

30代  男性  福井市

症状の特徴

来院の3週間前から両方の耳が詰まる感じがあり、3日前からキーンという耳鳴りがするようになった。右耳の症状が左よりもやや強い。

病院で聴力検査を受けたが異常は無いと診断され、薬も処方されなかった。

朝起きてすぐやリラックスできている時は症状が軽くなるが、時間が経っても治る気配がないため、ネットで鍼治療で改善することがあることを知り、ホームページを見て来院した。

同時に治療した症状

首こり

治療の内容と経過

一診目

触診すると、耳の後ろから肩にかけての胸鎖乳突筋のコリが強かったため、手のツボを使って緩めた。直後に耳鳴りが少し落ち着いた感じがあった。

二診目(4日後)

右耳の詰まり感や耳鳴りはかなり落ち着き、左の方が気になるようになった。前回と同様に胸鎖乳突筋のコリを確認し、手のツボで緩めた。後頚部を触診すると、押すと詰まり感が強くなるポイントがあったため、背中のツボで緩めた。施術後、症状がほとんど気にならなくなったため治療を終了とした。

使用した主なツボ

養老R、中渚R、合谷LR、外谷R、T3(2)LR

まとめ

胸鎖乳突筋の緊張からくる耳の詰まりや耳鳴りだったと考えられる。胸鎖乳突筋は、耳の後ろから鎖骨との間にある筋肉で、この筋肉の緊張が強くなると、周囲の血管を圧迫して耳への血流を邪魔する原因となってしまう。

発症から一ヶ月以内だったことや、比較的軽めの症状だったこともあり、2回で治療を終えることができたので非常に良かったと思う。

症例4 畑仕事をしている時に突然片耳が聞こえなくなった

患者

60代 男性 坂井市丸岡町

症状の特徴

夏に畑仕事をしている時に、突然右耳が聞こえづらくなった。耳の詰まり感と耳鳴りが強く、常にウァンウァンと響いている感じ。病院で突発性難聴と診断され、ステロイド治療や血液の流れを良くするという薬を処方されたが改善しなかった。諦めてそのまま我慢していたが、一年後に悪化し、右耳だけでは全く聞き取れなくなった。過去に自分で買ったマウスピースで顎の矯正をしたことがあり、その時に噛み合わせに違和感が出たことがある。福井で難聴の治療ができるところはないかとネットで調べたところ、当院のホームページで、鍼で難聴が改善したというブログを見て来院した。

治療の内容と経過

1診目(7月22日)
発症からかなりの期間が経過してしまっているため、難しいかもしれないが、1ヶ月前の状態までには回復する可能性はあるということを伝えてから治療を開始した。
顎を矯正したということで、触診をすると顎の後ろから肩にかけて強いコリがあった。手・足・背中のツボを使いこのコリを緩めるように働きかけると、音は聞こえないままだったが、耳鳴りが半分くらいに軽減された。

2診目(7月26日)
耳鳴りの強さは戻ってしまったが、感じ方が変わったとのことだった。
前回と同様の治療を行ったが、直後の変化は無かった。

3診目(7月30日)
7月28日にわずかに聞こえたが、次の日にはまた聞こえなくなった。
少しずつだが変化が出ているため、同様の治療を行った。直後の変化は見られなかった。

4診目(8月16日)
8月2日に聴力検査を受けてみようと病院へ行くと、即入院と言われ、8月14日まで入院していた。入院中はステロイドによる治療が中心だった。症状は改善していない。
ステロイドの点滴を受けた時、耳から背中を通り、足裏まで電気が走ったような感覚に襲われ、腰から大腿にかけてその感覚が残っているとのことだった。
首や肩のコリも強くなっていたため、念入りに緩めた。

5診目(8月20日)
前回の治療の3時間後に、数時間だけ突然聞こえるようになり、右耳で電話をすることができた。その後、再び聞こえなくなってしまったが、確実に変化は出てきている。

6~8診目(8月27日、9月3日、9月10日)
4診目の後ほど大きな変化はないが、徐々に耳鳴りが小さくなり、少しだが音が聞こえている時間も長くなってきた。

9診目(9月17日)
良い側と比べて2割ほど聞こえるようになってきた。
入院中に襲われた電気が走ったような感覚が、まだ臀部にだけ残っているとのことだった。触診をすると強いコリがあったため、関連があるかもと思い鍼で緩めた。すると、直後に耳の閉塞感が大きく改善され、蓋が開いた感じがするとのことだった。

10~11診目(9月24日、10月1日)
常に聞こえている状態で、良い側と比べて3割ほど聞こえている実感があり、左耳を塞いだ状態でも会話ができるようになった。耳鳴りはほとんど気にならないくらいに治まった。
今後は、週一のペースで治療してもこれ以上の大きな変化は難しいと判断し、1ヶ月間隔を空けて様子をみることにした。
(記載日10月2日)

使用した主なツボ

僕参R、養老R、中渚R、太衝R、T4(3)R、大臀R

使用した主な活法

坐骨切りR

考察

突発性難聴と診断されてから、約1年経過してしまっていたため難しい症例だった。悪化する前まで回復できればということで治療を開始したが、予想していたよりも良い結果を出すことができた。音が聞き取れるようになったこともだが、強かった耳鳴りが治まったことが特に喜んでもらえた。臀部のコリについては患者さんの訴えが無ければ見過ごしていたため、自分にとってもとても勉強になった。この経験を生かして、より的確に治療ができるように精進したい。

症例3 ボワーンと水に潜っている感じで足音が反響して聞こえる

患者

40代 女性 福井市

症状の特徴

6月9日に右耳が中耳炎になったような感じがした。翌日、左耳がボワーンと水に潜っている感じになり、人の足音が響いてウァンウァンと耳鳴りがするようになった。左耳で電話ができない。(右耳は正常)
かかりつけの耳鼻科へ行くと突発性難聴と診断され、ステロイドによる治療を受けた。一時的に改善したがすぐに症状が戻ってしまい、大きな病院で再検査を受けることになった。
再検査の結果、入院した方がよいと言われたが、強制ではなかったためとりあえず入院しないことにした。再検査を受けた次の日に、よく前を通っていて存在を知っていた当院へ来院した。(発症の一週間後)

治療の内容と経過

1~2診目(6月17日、19日)
耳の症状特有のコリが左側の首と肩に出ていたため、手・足・背中のツボを使いこのコリを緩めるように働きかけた。コリは緩んだが、耳への変化は現れなかった。

3診目(6月25日)
6月20日に病院へ行ったら、今度は即入院と言われ20日~25日まで入院し、退院したその日に来院した。両耳の詰まり感と左耳に水に潜ったような感じがあった。左側に加え、右側のコリが強い場所も緩めた。治療後は、少し詰まりが軽くなった感じがあるとのことだった。

4診目(6月28日)
入院した20日から26日まで仕事を休んでいたが、27日から復帰した。耳の詰まり感は前回の治療後軽くなっていたが、仕事に復帰した27日に少し悪化した。治療後はまた少し詰まり感が軽くなった。経過が良い感じだったので治療間隔を空けていくことにした。

5~6診目(7月3日、12日)
経過は良好。詰まり感はかなり改善し、左耳での電話もできるようになってきた。次回は3週間後とした。

7診目(7月14日)
13日に突然左耳の詰まり感が強くなり、電話が聞き取りづらくなったということで急遽来院した。治療後は詰まり感が半分くらいまで改善。また何かあれば来院するということで、次回予約は変えずにおいた。

8~10診目(8月2日、18日、9月6日)
回を重ねる毎に改善し、日常生活ではほとんど違和感が無くなってきた。また何か異常を感じたら来院するとのこで、治療を終えた。

使用した主なツボ・施術

合谷LR、中渚R、曲池L、三陰交L、僕参L、T4(3)L

考察

退院後に改善がみられていなかったものが、回を重ねる毎に確実に良くなっていったのは鍼治療の効果だと言えると思う。また、発症から8日後に鍼治療を始めることができたのも良かったと思う。しかし、突発性難聴は治療が早ければ早いほど早期改善が見込めるため、最初の段階の入院で間が空かなければ、もう少し短い期間で治療を終えることができたのではないかと考えると悔やまれるところである。

症例2 聴力は正常だが耳鳴りが治まらない

患者

20代 女性 福井市

症状の特徴

2週間前から耳鳴りが気になるようになった。聴力には問題はない。仕事はデスクワークで、中学生の頃から慢性的な肩こりを感じている。左の顎にも違和感がある。普段は整体に通っているが、日曜でも営業しているということで来院した。(当時は日曜も営業)

治療の内容と経過

耳鳴りが起きている左側の首や肩に強いコリがあったため、そのコリを取るために手と足のツボを使った。また、耳のすぐ近くにある顎の影響もあると考え、手のツボを使い顎の動きが良くなるように働きかけた。
治療後は肩全体が楽になり、耳鳴りも治まった。顎の違和感も軽減した。

使用した主なツボ・施術

合谷L、太衝L、中渚L、養老L、T4(2)L

考察

原因は、首や肩のコリにより耳への血流が悪くなっていたためだと思われる。耳鳴りが起きてから1ヶ月以内だということと、症状が軽かったために1度の治療で十分な効果を得ることができた。難聴や耳鳴りに対して、早期に鍼治療を行うことが有効だということをもっと知ってもらうために、これからも情報を発信していきたいと思う。

症例1 風邪を引いた翌日に音が聞こえづらくなった

患者

40代 男性 福井市

症状の特徴

2015年7月に風邪を引いて熱が出た翌日に右耳が聞こえづらくなった。病院で突発性難聴と診断され、ステロイド薬による治療を受けて聞こえるようになったが、しばらくして再発。その後も薬による治療を続けたが、再び回復することはなかった。鍼で突発性難聴が良くなる例もあるというのを噂で聞き、試してみようと当院へ来院した。

治療の内容と経過

首と背中を触診すると、聞こえづらい右耳と同じ右側に強いコリがあった。このコリによって耳への血流が悪くなっているのが原因だと考えて、手足のツボを中心に使い、コリを緩める治療を行った。コリが緩むにつれてその場で聞こえ方も変わってきた。回を重ねるごとに徐々に回復してきており、聞き取れなかった言葉が聞き取れるようになってきた。聞こえ方が安定し、耳鳴りも治まったため、治療を終了とした。治療回数8回。

使用した主なツボ・施術

合谷R、中渚R、太衝R、承扶R、腎兪R、陰谷R

まとめ

突発性難聴が起こってから10ヶ月経過してしまっているたため、事前に「やってみないと分からない」と伝えてからの治療だった。医学的には発症から1ヶ月が経過してしまうと聴力の回復は難しいと言われている。鍼灸でもできるだけ早く治療を始めた方が治りやすいのは同じだが、今回のように時間が経ってしまった場合でも回復することがあるので試す価値は十分にある。

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